地域の生活基本情報

びびなび生活情報コラムは留学、転勤などで引っ越してきた方々に各地域で必要な生活情報をお伝えするコラムです。教育、医療、金融、飲食業など様々な種類の専門家が生活に必要な情報を提供します。

2019年 2月 18日更新

モスクワで健康に過ごすためのおすすめ食材

皆様こんにちは。

寒い日が続きますが少しずつ陽が長くなってきましたね。モスクワでは冬場お野菜や果物が少し手に入りにくくなりますがお食事は”栄養素”に焦点を当て食材をお選びいただけると良いかと思います。免疫力を上げ病気を防ぎ健康的に長生きする為には健康的なお食事、適度な運動、質の高い睡眠が重要不可欠です。この十数年で栄養学、予防医学の分野で色々新しい事が解り始めました。最近の都市生活では癌、心血管疾患、糖尿病、自己免疫疾患、アルツハイマー病などが死因の殆どを占めますが、この8割は生活習慣病だと言う事が分っています。遺伝的要因はあまり大きくはない、と言う事です。毎日のお食事に是非取り込みたい食材でモスクワでも比較的手に入りやすい物をご紹介します。

アブラナ科のお野菜
ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、ダイコン、白菜、チンゲンサイ、フダンソウ、(モスクワではなかなか手に入りませんがワサビも実はアブラナ科です)

イソチオシアネートは、アブラナ科野菜を始めとする様々な植物に含まれており、植物をすりおろした時に生ずる刺激性の強い香味性成分の原因です。イソチオシアネートの辛味や刺激は、本来、植物が虫に食べられないようする役割を果たしていると考えられています。野菜そのものにイソチオシアネートが含まれているという訳ではありません。大根などこれらの野菜には、グルコシノレートとそれを分解する酵素のミロシナーゼが含まれています。グルコシノレートとミロシナーゼが互いに接触して酵素反応が起き、イソチオシアネートが発生します。細胞を細かく分解すればするほど苦味が増す(イソチオシアネート)が多く合成できます。イソチオシアネートは、ガン予防効果があります。イソチオシアネートには体内の解毒酵素の働きを高め、抗酸化力を高める働きがありす。解毒酵素の働きや抗酸化力を高める働きにより、ガン細胞増殖を抑制します。

さらに抗酸化作用により、活性酸素量を減少させ、細胞新生を促す作用があり、動脈硬化など、血管の老化を予防する効果があります。

豆類
枝豆、レンズ豆、ひよこ豆、サヤエンドウ、インゲン豆、大豆

IP-5という強力な抗がん作用の有る成分や人間に取って必要な20種類のアミノ酸、高タンパク質(なんと肉よりも重量に対してもカロリーに対しても高タンパク質です)、バランスの取れたビタミン、ミネラル群、食物繊維、など一日の中に必ず入れたい食材の一つですね。

週に二回豆類を食べる人はそうでない人に比べ大腸癌のリスクが50%下がると言う研究も有る程です。

ユリ科のお野菜
大蒜、タマネギ、ネギ、アスパラガス

アリナーゼ(アトピー性皮膚炎、喘息、花粉症の改善、糖代謝促進による糖尿病の改善、抗菌作用、抗血栓症作用、疲労回復、抗がん作用)フラボノイド(抗酸化作用が強く、血管を強くする働きがあるという特徴がある。フラボノイドの種類によっては、糖尿病や高血圧、動脈硬化、脳卒中に効果があったり、抗がん作用、認知症予防の効果があることが確認されています。)、クロム(当代謝に必須元素)、ケルセチン(動脈硬化予防、ダイエット効果、アレルギー症状緩和、肝臓脂肪蓄積予防効果、骨粗鬆症予防など)、フラクトオリゴ糖(消化管免疫機能増進と結腸癌リスクの減少)など大変健康に有益な栄養素が詰まっています。

キノコ類
マッシュルーム、ヒラタケ、アンズタケ

キノコ類はビタミンやミネラルは他のお野菜に比べて比較的低めでは有りますが癌を予防する事のできる強力な3つの作用が有ります。

一つ目は血管新生阻害作用といって癌細胞はお腹空きの細胞なので血管を伸ばし栄養素を自分の細胞に取り込み成長していきます。それを防ぐ事によって癌細胞を成長させない働きが有ります。このメカニズムは抗がん剤に使われます。

二つ目にアロマターゼ阻害作用があります。エストロゲンレベルを低下させる作用があり、ホルモンに依存するタイプの癌(乳癌、卵巣癌など)を予防や改善して行く事ができます。このメカニズムも抗がん剤に使われます。

三つ目は抗原結合レクチンといって異常の有る細胞に結合しそれを除外する作用が有ります。

種実類
胡麻、チアシード、亜麻仁、カボチャの種、ヒマワリの種、マカデミアナッツ、クルミ、ピーカン

種子に含まれるリグナンは植物ポリフェノールの一種で、高い抗酸化力に加えて女性ホルモン様作用や脂質代謝改善作用などがあります。リグナンはヒトの体内に入ると、腸内細菌のはたらきによって、エンテロジオールやエンテロラクトン(動物性リグナン)に代謝されます。

生殖年齢期の女性には体内にエストロゲンが多く存在していて、動物性リグナンはエストロゲン受容体と結合し、体内にもともとあるエストロゲンとの結合をブロックすることができます。この場合、動物性リグナンは抗エストロゲン作用を持つ物質として機能します。

逆に、更年期には卵巣からのエストロゲン分泌量が低下しますが、動物性リグナンはそれを補うために弱いエストロゲンとして作用します。体内のエストロゲンが減少すると血管内皮細胞の機能が低下して動脈硬化が促進され、心血管疾患のリスクが高まるため、リグナンがこれらのリスクを低減する役割をも担っているのです。

また、リグナンが体内に入ると、脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンの「アディポネクチン」が血中で増加します。アディポネクチンは血管修復作用や脂肪燃焼作用、血管拡張作用などがあり、糖や脂肪の代謝に関与するため、糖尿病やメタボリックシンドローム、肥満の予防につながります。

漿果
イチゴ、ブルーベリー、木苺(ラズベリー、セイヨウスグリ(グースベリー)

ベリーの色素はポリフェノール(アントシアニン、寿命を延ばすレスベラトロールなど)という抗酸化物質で高血圧予防、糖尿病予防、脳の健康の促進、抗がん作用、老化防止などに強力な効果が有ります。更に様々なビタミンやミネラルを含むスーパーフードです。

モスクワ生活も美味しい食材で健康に過ごしたいですね。

今回のコラムニスト
European Medical Center
ESAKI Hajime M.D. (GENERAL PRACTITIONER)

Dr.Hajime P.Esaki studied in London, UK, and accomplished his internship in Fu Dan University Medical Faculty (former Shanghai Medical University) in Shanghai, China, which WHO (world health organization)recognizes as one of the Top Medical Universities in the world. Once he was qualified as a Medical Doctor, he worked in the Canadian-American International Medical Clinic as a General Practitioner with local and foreign patients.

European Medical CenterInternal Medicine Clinic
Shchepkina Ulitsa, 35, Moscow, Russia, 129090
TEL:+7 (495) 933 66 55 https://www.emcmos.ru/en/main

2019年 2月 18日更新

上記は記事更新日時点の情報をもとに執筆されています。
最新情報は異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

Information

あなたの街のオンライン交流広場びびなび(Vivid Navigation, Inc.)

びびなびは世界中の地域で生活情報を取り扱っているウェブサイトです。
こちらの「びびなび生活情報コラム」は、弊社による執筆ではなく、各分野の専門家の方々にそれぞれの地域で役立つ生活情報を提供していただいております。
特に就職や進学・卒業、転勤などで引っ越してきたばかりの方々にご活用いただけましたら幸いです。

Vivid Navigation, Inc.

Harbor City, CA / 千葉県木更津市